取材した場所・イベントについて
今回取材したのは、埼玉県川口市にある大型商業施設「アリオ川口」で開催された20周年記念バースデーライブである。
アリオ川口は買い物や飲食、映画鑑賞などが一体となった複合施設であり、地域の人々にとって身近な存在だ。20周年という節目を記念したイベントは、子どもから高齢者まで幅広い世代が集まる場となっていた。
本取材では、「障害のある人を含め、多様な人が行きやすく・使いやすい工夫がどのように行われているのか」という視点を重視し、普段の利用では気づきにくい点にも注目した。
施設の基本情報
施設名:アリオ川口
住所:〒332-0033 埼玉県川口市並木元町1-79
アクセス:
・JR京浜東北線「川口駅」東口より徒歩約8分
・バス、自家用車での来館も可能(大型駐車場あり)
営業時間:
・専門店街:10:00~21:00
・レストラン街:11:00~22:00
・映画館(MOVIX川口):上映スケジュールにより異なる
定休日:
・原則年中無休(※一部店舗を除く)
Google Map:
https://www.google.com/maps/place/アリオ川口/
取材をすることで初めて気づいたこと
「バリアフリー=特別」ではないという気づき
取材前は、バリアフリー対応とは「車椅子用の設備があるかどうか」という点が中心だと考えていた。しかし実際に館内を歩き、イベントの様子を観察することで、アリオ川口の工夫はもっと日常的で、自然な形で行われていることに気づいた。
それは「障害のある人のために特別なことをしている」という印象ではなく、最初から多様な人が使うことを前提にした設計・運営がされているという点である。
行きやすさ・使いやすさの具体的な工夫
館内の移動がしやすい構造
アリオ川口の館内は段差が非常に少なく、通路も広く確保されている。
エレベーターやエスカレーターは各所に設置されており、車椅子利用者や足腰に不安のある高齢者、ベビーカーを利用する人でも無理なく移動できると感じた。
特に印象的だったのは、エレベーターが「分かりにくい場所にまとめて設置されていない」点である。初めて来館した人でも比較的見つけやすく、迷いにくい配置になっていることは、安心感につながる工夫だと感じた。
多目的トイレの分かりやすさ
多目的トイレは複数の階に設置されており、案内表示も大きく、視認しやすい。
取材を通して、「多目的トイレがあるかどうか」だけでなく、すぐに見つけられること、使いたいときに迷わないことが重要だと実感した。
これは障害のある人だけでなく、小さな子ども連れや体調が優れない人にとっても大切な配慮であり、結果として誰にとっても使いやすい環境につながっている。
スタッフによる人的サポート
設備面だけでなく、スタッフの存在も大きな支えになっていることが分かった。
車椅子の貸し出しや、困ったときに声をかけやすい雰囲気づくりが意識されており、「何かあったら聞ける」という安心感がある。
バリアフリーは設備だけで完結するものではなく、人によるサポートと組み合わさることで初めて機能するという点を、取材を通して強く感じた。
20周年バースデーライブで感じた配慮
20周年バースデーライブは多くの来場者でにぎわっていたが、その中でも「誰もが楽しめる」ような工夫が見られた。
イベント会場では、前方で立って観覧する人だけでなく、少し離れた場所から無理のない姿勢で観覧できる空間が確保されていた。
音楽イベントは体力が必要だと思われがちだが、「その場にいる雰囲気を楽しむ」ことができる設計になっていた点が印象的だった。
また、屋内イベントであるため、寒さや天候の影響を受けにくいことも、冬のイベントとして大きな利点である。
取材を通して考えたこと(まとめ)
今回の取材を通して、バリアフリーやユニバーサルデザインは、特定の人のための特別な配慮ではないということを改めて実感した。
アリオ川口は、「障害のある人/ない人」という分け方ではなく、年齢、体調、状況の異なるさまざまな人が訪れることを前提にした施設である。その姿勢が、結果として多くの人にとって居心地の良い空間を生み出していると感じた。
20周年バースデーライブという特別なイベントを通して見えたのは、華やかさだけではなく、誰一人取り残さないための地道な工夫の積み重ねであった。
このような取り組みは、今後の公共施設やイベントづくりにおいても、重要な参考になると考える。
